災害 M9 南海トラフ地震への備え
「そのうち発生する」とされている南海トラフ地震への備え、
「いつ来るかわからないから何もしないのか」
「いつ来てもいいように備えるのか」
あなたはどちら?
南海トラフ地震のメカニズム
「日本の周りには北米プレート、太平洋プレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレートの4つのプレートがあります。
これらのプレートはぶつかり合い、互いに圧力をかけながら、何年もかけて動いています。
二つの大きな岩石の板であるプレート同士が押し付けられ合った結果、負荷に耐えられなくなったユーラシアプレートが
大きく跳ね上がる。これが南海トラフ地震です。」
(立命館大学環太平洋文明研究センター 南海トラフ地震の研究の第一人者である髙橋学氏の解説より)
プレートとは、地球表層部を覆う一枚の巨大な岩盤のようなものである。
日本周辺に存在する4つのプレートのうち、フィリピン海プレートは、ユーラシアプレートに押し曲げられながら
滑り込むように動いている。この二つのプレートの境界線が南海トラフと呼ばれている。
この岩盤が跳ね上がれば、茨城から沖縄までの広範囲が被災し、甚大な被害が出てしまう。
地震の周期
阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、北海道地震と
日本でも大きな地震が短い間隔で起きている。
日本だけではなく、世界を見ても大きな地震が各地で頻発している。
地震は周期的に起きる事は、大昔の地震の発生年数を見て行くと分かる。
江戸時代や明治、大正、昭和、平成と過去をさかのぼって
大きな地震の発生時期を確認していくと、過去に起きた地震から
一定の間を置いて同じ場所で発生していることがわかる。
南海トラフにかかる負荷は、100年〜150年の周期でその現界に至る。
それが「地震」である。
1946年の昭和南海地震(M8)、1854年安政地震(M8.4)、1707年宝永地震(M8.6)と
過去に起きた南海トラフ地震は、全てM8を超えている。
1946年に発生した前回から考えて、ここ30年以内に80%の確率で発生するとされている。
南海トラフ地震の災害予想
南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さは次のように予想されている。
政府は科学的に想定される最大クラスの南海トラフ地震(以下、「南海トラフ巨大地震」という)が発生した際の被害想定を実施している。
下にあるのが震度、津波の被害規模を想定した図。
南海トラフ巨大地震がひとたび発生すると、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7となる可能性がある。
また、それに隣接する周辺の広い地域では震度6強から6弱の強い揺れになると想定。
さらに、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定されている。
南海トラフ巨大地震の震度分布
(強震動生成域を陸側寄りに設定した場合)
南海トラフ巨大地震の津波高
(「駿河湾~愛知県東部沖」と「三重県南部沖~徳島県沖」に「大すべり域+超大すべり域」を2箇所設定した場合)
「南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報告)」(中央防災会議, 2013)
これはあくまでも、想定であり、確実に揺れや津波が発生するというものではない。
防災対策推進地域
いつ起きるか分からない地震への対策は、個人の判断に委ねられている。
この数年で起きている地震時に、テレビのニュースやSNSで知ることから
どんな準備をしておけば良いのだろうと考えた人は多かったと思う。
けれども、時間が経過して、ニュースやSNSの情報が減少するのと同じように
自分の身近で地震が起きたときのことを考える事もなくなっているのではないだろうか。
下にあるのは南海トラフ地震の際に防災対策をした方が良いとされる地域である。
このみどり色の地域で被災するとの想定から、防災の準備をすすめる事が望ましいと考える。

南海トラフ地震防災対策推進地域
(緑色に塗られた領域、赤線で囲まれた領域は南海トラフ巨大地震の想定震源域、内閣府資料に一部加筆)
(気象庁HPより引用)
災害時に自分と家族を守る為に
すぐ来るかもしれない。
しばらく来ないかもしれない。
しかし、それは、突然やって来る。
ここ30年以内に80%という確立をどう捉えるかは、もちろん個人に委ねられている。
高橋氏に研究によると、「あと2〜3年以内に発生する可能性が高い。」という。
ここで被災した時に必要な物を考えて準備をして置くのか、準備をしないのか。
ひとりでも多くの人が命を落とさず、生きてほしい。
そのために、3日分の食料(水でもどして食べるパスタやフリーズドライの食品)と
飲料用(一人当たり2L×5本)と生活用の水(家族4人ならポリタンク2つ分)を
今すぐ準備して備えることはそれほど大変な事ではない。
ぜひ、その日のために、今、行動しよう!
大切な命をつなぐために・・・