俳優 ムロツヨシ

 

ムロツヨシムロツヨシ     

1976年1月23日生まれ 神奈川県出身 大学在学中に役者を志し、99年に作・演出・出演を行った独り舞台で活動を開始。

映画「サマータイムマシン・ブルース」をきっかけに映像にも活動を広げる。現在映画、ドラマ、舞台とジャンルを問わず活躍中。

映画『交渉人、真下正義』で、交渉課準備室設置当初から真下の直属の部下として出演以来、芸能界の中でも、小栗旬、山田孝之などの人気俳優から、タモリ、小泉純一郎元首相とも交友関係があるとして、注目されている。

(ムロツヨシ公式HPより抜粋)

インスタグラムのフォロワーも急激に増加し、出演中のドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』の直前に、共演者である戸田恵梨香と一緒に動画をアップしたり、1人動画をアップしてそのかわいさや面白さで共感を得ている。                 

 

 

その人となり

面白キャラでバラエティー番組にも多く出演しているムロツヨシは、天真爛漫に見えているが、その内側には、本名を出さずに芸能界で活動するだけのわけがある。

『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演した時に、両親が4歳で離婚し、それ以来会っていない母親に迷惑がかからないようにと、本名を伏せているということや、父親とも20年以上会っていないということを告白した。

母親の記憶は「真っ赤な口紅」のみというのも、つらい幼児体験だったのかもしれない。

このつらい過去を明るく語ったムロツヨシ。

「嘘偽りなく1ミリもオヤジを恨んでいません。この家庭環境があるから喜劇役者いなりたいと思えたし、他のことも考えず20年やれていると思います。感謝しています。」と語った。

この「つらいだろう」と想像できる過去があるから、今のムロツヨシがあるのだろう。

 

自ら売り込んだわけ

ムロツヨシは芸能界に入ることになったきっかけを、週刊朝日の林真理子さんとの対談でこう語っている。

東京理科大時代、大学に入ったら「この研究したい」とか「この先生のもとで勉強したい」とか、目的を持った同級生がたくさんいてカッコいいと思ったんです。僕は可能な限り偏差値の高い大学に入っただけだったので、俺がやりたいことは何だろう、探さなきゃと思いました。それで、6月初旬、たまたま見に行った大ファンだった深津絵里さんの『陽だまりの樹』という手塚治虫さん原作の舞台で、あっち側に行きたいと思ったことがきっかけで、次の日から大学に行かなくなったと。

その頃、ムロツヨシを育ててくれた親戚の家が、経済的な問題で家庭崩壊しかけていたので、これ以上学費を払ってもらえないという理由もあったようだが、それから15年の暗黒時代が続くとは思わなかったと言う。

多くのオーディションを受けてはみたものの、書類審査でほとんど落とされたというムロツヨシ。

自分の容姿に特徴がないというのがその理由かもしれないと感じていた彼は、黙って立っているだけでカッコいい人でありたいと思っていた自分に26、27歳ごろ気づき、それ以降は自分の「ウザさ」を売りにするしかないと考え「ムロツヨシ」を連呼して「僕を使ってください」と言い続け、人から「かっこ悪いよ」と言われたこともあったが、恥ずかしいとは思わなかった。とにかく役者を選ぶときに思い出してもらえる人間になりたかったという。

 

「ヒモになるのが夢だった」

一般的には、「立っているだけでカッコいい」そんな男性なら、「ヒモ」になるのも容易だったかもしれない。

ムロツヨシには、そういう魅力がなかったのかも知れない。

日雇いのバイトで1日1万円稼いで、パチンコですってまたバイトして・・それだけじゃ「ヒモ」にはなれないことを痛感する日々が続いていたようだ。

やはり、「ヒモ」になるには容姿に特徴がないと難しい。

(週刊朝日 2016年4月29日号より抜粋)

 

『ここちよさ』を与えてくれるムロツヨシ

「大恋愛~僕を忘れる君と」で、果てしなく優しい男性を演じているムロツヨシ。

役の中でも、親に捨てられた奥深い悲しみを秘めた男のその思いから発した小説に魅せられた女との出会い。

引っ越しを通して知り合い、水漏れのヘルプから居酒屋に行き、面白く楽しい時間を提供する。

無邪気に笑える楽しい時間と、男が自分が愛してやまない小説の原作者と知り、恋に落ちる。

医師とアルバイトという関係から親に反対されて一度は離れるが、若年性アルツハイマーを患っていることが分かったあと、女は心の支えを失って病状は悪化するばかり。

男が小説家として売れたことをきっかけに再会し、二人は結婚することになるが、男にとっては、愛する人との幸せな生活と妻である女が自分を忘れていくつらさとの戦いになる。

 

大恋愛

(大恋愛 僕を忘れる君と 公式ツイッターより)

本当にこのような状況にあった場合、男は女のことを思いやって自分から身を引くことがあるのか。

また、自分のことを忘れてしまっても、女を愛し続けることはできるのか。

 

ドラマの中では、現実にはなかなか難しいことが展開していく。

 

ただ、ムロツヨシには、自分の生い立ちに似たこの男の役を、さらりと演じていることで、実際にあり得ると観ている者の心の中に深く入り込んでいく力がある。

 

ドラマを観る女性は、こんな風に自分が病気になっても、自分のことを愛してくれる男性に巡り合いたいと考えているし、病気がさせてしまう元恋人の名前を呼んでしまったり、約束を忘れてしまうという失態に対しても、さりげなく女を傷つけずにやり過ごすことができる、この小説家のような男性との結婚を思い描いてしまうのである。

 

今、女性たちは、「ヒモ」になり得るカッコいい容姿ではなく、「真実の優しさ」を求めているのだと思う。

 

せめて、ドラマを通して、心地よさを感じたい。

 

そんな心地よさを与えてくれるムロツヨシ。

今後の活躍にも期待したい。