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子育て中の『気をつけたい』を伝えます!!
愛する子どもを安全に育てていくために、いろいろなことに注意を払っているママやパパに、日々の生活の中で思わぬところにある危険について伝えていきます。
保育所や幼稚園でのこれまでの経験から思うこともあわせてお伝えします。
子育ての参考になれば嬉しいです。
子どもの水着、大丈夫?
男の子の水着選び、どうしていますか?
素材、柄、サイズ、色、ゴムや紐など、細かく吟味するというより、子どもの体に当ててみて、来年も使いたいと思えば少し大きめを・・とか、そんなイメージで購入される方がほとんどだと思います。
けれども、万が一に備えて、知っておいて欲しいのが、今からお話することです。
知らなければ、気にもしないことですが、知ってみると意外な落とし穴みたいなこともあるので、ぜひ、頭のどこかに置いておくようにしてみてくださいね。
男の子の水着選びは慎重に!!
昔の男の子の水着は、ぴったりとしたものがほとんどでしたが、最近はぶかぶかしたもので中にメッシュのインナーが付いているものが多くなっています。
けれどもそのメッシュ生地に男の子の陰茎部の皮膚が挟まってしまうという事故が発生しているので、できるだけメッシュのインナーのない物を選びましょう。
また、インナーがある物を選ぶ場合は、メッシュ素材の穴が目で見て確認しにくい程度の小さな穴になっている物を選びましょう。
皮膚が穴に挟み込まれることを防ぐために、目で見てはっきりと穴が確認できるようなものは、皮膚が穴に入りやすいので、お店にあるものの外見だけでなく、内側の確認もして、お子さんにとって、危険のない物を選ぶようにしましょう。
水着が危険ってどういうこと?
水着の何が危険なの?
そう思われる方が多いと思います。
素肌につけるもので、危険を感じる要素が有るとは思えないのですが、実はこんな事故報告がされているのです。
男児用水着の中には、インナーにメッシュ生地をモイいたものがありますが、「水着のインナーのメッシュ生地に、陰茎部の皮膚が挟まり取れなくなり、病院へ搬送された」という事例があります。
数としてはそう多くはありませんが、実際にそんなことが起こったらどうでしょう?
子どもは痛がるけれども、どうしてあげることもできない・・
そんなつらいことが起こらないように、購入時に意識しておくといいですね。
こんな事故が起きています
PIO -NETと医療機関ネットワークには、「陰茎部の皮膚が水着のインナーのメッシュ生地に挟まれた」と行った事故情報が寄せられているとのことです。
*PIO -NET(全国表皮生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費者生活に関する相談情報を蓄積しているデータベース。
*消費者庁と国民生活センターとの共同事業で、消費生活において生命または身体に被害が生じた事故に遭い、参画医療機関機関を受診したことによる事故情報を収集するもので、2010年12月から運用を開始。
情報から紹介します。
①海水パンツのインナーのメッシュ生地に陰茎部の皮膚が挟まり、海水パンツが脱げなくなってしまった。(PIO -NET6歳)
②3歳男児の水着を脱がそうとした際、陰茎部の皮膚がインナーのメッシュ生地に挟まり怪我をした。(PIO -NET3歳)
③水着を着用してアスレチックで遊んだ。数時間後、水着が脱げず、よく見ると陰茎部の皮膚が水着に挟まっていた。(医療機関ネットワーク5歳)
④海水パンツを脱がそうとしたら、痛みを訴え、陰茎部の皮膚の先が挟まって陰茎から出血していた。(医療機関ネットワーク3歳)
どんな対応をしたらいいの?
子どもの事故に詳しい種市尋宙ドクター(国立大学法人富山大学附属病院小児科)は、こんなふうにコメントされています。
海やプールで遊んでいるときに、男の子が「痛い、痛い」と言ったら、水着の中を見てみましょう。
水着の裏地のメッシュに陰茎部の皮膚が挟まっているかもしれません。
水着の裏地のメッシュに陰茎部の皮膚が挟まる事故は20年以上も前(1998年)から症例報告があり、中には、鎮静させてから、処置した事例や、成人に起きた事例もあります。
事故発生の過程はこんな感じです。
〈水着のインナーのメッシュ生地に陰茎部の皮膚が挟まり取れなくなる過程〉
❶皮膚が水着のインナーのメッシュ生地に密着すると、伸展性に富んだ皮膚が、メッシュの穴より外部にはみ出し、メッシュからの圧迫を受け始めます。
❷局所的に小さな静脈が圧迫を受け、、採血の際に腕にバンド(駆血帯)を巻いて血流を止めるのと同じような状況となります。
❸外部にはみ出した皮膚では、局所的な静脈還流障害が起こり、静脈から水分が漏れ出すことで皮膚が徐々に腫張(腫張)すると考えられます。
❹外部へはみ出した皮膚が腫張するとはみ出していく力よりも強くなり、また、メッシュが皮膚を強く圧迫して激しい痛みが起こります。このような状態になると、自らメッシュを解除することは難しくなってしまいます。
挟まったらどうするの?
もしも水着のインナーのメッシュ部分に皮膚が挟まってしまった場合は、無理にはずそうとしたり、患部付近のメッシュ生地を刃物などで切り離そうとしないでください。
子どもが痛がって動き、誤って皮膚などを傷つけてしまう恐れがあります。
濡れている水着は重さもあり、振動などによって痛みが生じてしまうので、幹部のまわりのメッシュ生地を安全な範囲で切り取り、挟まっているところを残したまま、小児科、救急科、泌尿器科などの、医療機関を受診しましょう。
腫張程度の創傷であれば、、後遺障害はないと思われます。
ですから、挟まった皮膚には触れず、そのまま病院に行くのがいいと思います。
事故を防ぐために・・
20年以上にわたって、同じような事故が発生しているのは、水着の裏地に穴が開いているとすぐにわかるほどの目の粗いメッシュが使用され続けているからです。
お子さんが、痛い思いをしないように、これから、水着を購入する際は、メッシュ生地を使用した水着を子供に着用させないようにしましょう。
メッシュ付きの水着を使用する場合、少なくとも、穴が空いていることがすぐに分かるようなものは避けましょう。
子どもたちは何も間違ったことをしていないのに、痛い思いをしています。大人がさまざまな工夫をし継続し、子どもの事故を防ぎましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。