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聞いてるのにどうして分からない? 指示の意味理解 工夫することで分かりやすくしよう!

ハテナが飛ぶ子ども

言葉の意味が分からないことが多い子どもは、「分からない」ってことを、知られないようにしなきゃならないほど、実はいつもドキドキしているのです。ですから、個別に質問や指示をした時には、自信のない表情とドギマギする様子で、言葉で答えるのも、行動に移すのもとても緊張するようです。

ですから、その緊張や分からなさを指摘するのではなく、その子の特長を把握して支援をしてあげたいですね。

 

具体的な姿から特徴を知る

そういうタイプの子どもは

①聞いてもその意味が理解できない

②聞いて理解はしているのに、行動する間に他のことに気がそれる

③聞いた事を行動に移す時に、途中で忘れてしまう

 

結果としては、同じようにできないという姿になるのですが

困っているところは、それぞれ違うということに気づいて

そのタイプに適したお手伝い(支援)をしてあげることが必要です。

 

具体的な姿から何が困っているのかを知って支援しましょう

では、どんなお手伝い(支援)ができるでしょう。

 

例えば

「今から クレパスと はさみと のりを持ってきてください。」

と、指示した時に、すぐに持ってくることができない場合

 

①指示の意味がわからないタイプ

・絵を描く時に使うものは知っている

・紙を切る時に使う物は知っている

・くっつける時に使ったのはあれだ

と、実際に使ったことがあるものを記憶しているものの、その名前を記憶することができない、物や道具とその名前が一致していない(物の名前がわからない、名詞が覚えにくい)

 

《こういうタイプへの支援の例》

◎「絵を描く時に使う赤や黄色や黒や青といろんな色が入っているこんな大きさの箱を持ってきてください。」と、大人(保育者)が手指を使って目に見える情報を与える。

 

◎指示するものを絵で見せる。    

 

            のり クレパス

視覚の情報をプラスしてあげましょう。

 

②聞いて理解はしているのに、行動の途中に他のことに気がそれるタイプ

・クレパス、はさみ、のりは知っている。

・それぞれの置いてある場所も知っている。

・その場所にとりに行く途中でふと違うものが目に入ってしまい、指示されたクレパス、はさみ、のりを取りに行こうとしていたことを忘れて、視覚に入ったもののほうに向かってそこで遊んだり別のことをしてしまう。

 

《こういうタイプへの支援の例》

◎視覚に入るものを遮断する(ちょっと難しいかもしれません)。

◎絵カードを手に持ちながら、必要なものを取りに行く。

 一枚ずつめくっていくようにしてもOK。 

           のり クレパス

★リングに絵カードを一枚ずつ重ねてとじ、ひとつ準備したらめくり、

最後に「これでいいよ。よくできました。」とはなマルカードを

プラスすることで、子どもは達成感や満足感が得られます。

視覚の支援にも、個別の工夫が必要です。

 

③聞いた事を行動に移す時に、途中で忘れてしまうタイプ

・クレパスって絵を描く時に使うものと知っている。

・はさみは紙を切るものと知っている。

・のりは、紙と紙をくっつけるものと知っている。

・その置き場所も分かっているので、そこまで取りに行くけれど

 のりだけ持ってきて、「これでOK」と思ってしまう。

「クレパス、はさみ、のり」と三つの指示を聞いて、行動に移していく時に、最後に聞いた単語だけが記憶に残り、始めに聞いた単語を忘れてしまうタイプは、三つのことをまとめて記憶し続けていることが苦手です。

《こういうタイプへの支援の例》

◎「クレパスを持ってきてください。」「はさみを持ってきてください。」

「のりを持ってきてください。」とひとつずつ指示を出してあげることが必要でしょう。

 

お手伝い(支援)のまとめ

話を聞くこども

子どもはみんな真似をしながら、いろんなことを覚えていくものです。

けれども、記憶の仕方や実行の仕方がちがう子どもには、それぞれに合った指示ができると、自己否定感が生まれにくくなります。

その特徴については、就学前の施設(保育所幼稚園子ども園)と家庭が連絡を取り合って、子どもへの声掛け(指示)の工夫について話ができるといいですね。

子どものタイプを見つけるには、個別で指示を出してできるかどうか、確認してあげることが大切ですよ。

一年生になってから困らないように、しっかりと見てあげましょう。

 

子ども一人ひとりが、持てる力を十分に発揮して生活したり学習できるようにしたいものです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。