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子どもの問題行動① その要因
可愛い子どもと向き合う時、仕事や家事で忙しく余裕がなくなってしまうこともありますよね。そんな時も、子育てのコツを知っていれば、ストレスも少なくなります。育てにくいと感じるのはなぜか、考えていきましょう。
子育てのコツのひとつは大人の反応
これまでに積極的な子育てについて基本となる5つのポイントについて、お伝えしてきました。
子どもにはそれぞれ性格や好みも違い、基本となる5つのポイントだけでは、うまくいかないという場面も出てくることがあるでしょう。
そこで、子どもの行動や振る舞いはどのようにして形作られるのか考えましょう。
子どもは、生活する場で、どのように振る舞えばいいのかをいろいろと学んでいます。家族の人のしている行動はすぐに真似します。子どもは見て育つ部分が大きいので、自然に家族のしていることが身についてしまうこともあるでしょう。
そして、自分のした行動がどうだったのかを知りたいので、周りの反応を気にします。その行動がダメだと言われれば、ダメだと理解していきます。
その行動をしたことで、何も面白いことが起こらなければ、無意味な行動だと理解することができます。
ある行動をしたとき、何か自分の欲しいものが手に入ったり、面白いうことが起こったりしたら、その行動を更に繰り返しやろうとします。
これがいい行動なのか、よくない行動であるのかを意識するには、子どもの行動に対する大人の反応がとても重要だということですね。
子どもの問題行動(育てにくさ)
同じ家庭で育った子どもでも、似ていたり違っていたりします。
子どもの行動発達を理解するためには、3つの点をおさえる必要があるでしょう。
遺伝として受け継いだもの、家庭環境、住んでいる地域の環境、それぞれが、子どもが身につけていく生活技術、態度、そして能力を決めていくことになるので、そこから問題行動(育てにくく感じること)を起こすかどうかに影響を与えることがあると考えられます。
どんな大人とどんなふうに過ごすか、いつも一緒に過ごす友だちはどうかということも、問題行動(育てにくさ)に影響があります。
また、親が子どもの頃どんな様子だったかということを振り返ると、同じような姿があったということも見えて来ることがあります。
遺伝として受け継いだもの
親の子どもの頃の様子が、子どもの今の姿によく似ているということが結構あるようです。
子どもが親から受け継いだものには、目の色、髪の質などの身体的特徴や行動のパターン、感情的な特徴などがあります。
集中力などの能力、すぐに悲しがるとか、落ち込んでしまうなど、遺伝からくる性質があることが多いです。
さらに、子どもの気質も親から受け継いでいます。たくさんの人との交流が好きだったり苦手だったりする社交性や、活動レベル、情緒性などで、親にとって扱いがむずかしい気質もあります。
例えば、いつも注目してほしい、落ち着かずいつも動き回る、泣いたりわめいたりして食事や睡眠の習慣づけがむずかしいなどです。
大人になってからは見られなくなっていることでも、親の子どもの頃を振り返ると、似たような姿があったということが、親の子どものことを知るあばあちゃんなどから聞かれることも多いようです。
でも、むずかしい赤ちゃんがみんな問題行動を起こす子どもになるわけではありませんし、世話のしやすい赤ちゃんが問題のない子どもに育つとも限りません。
子どもの行動は、生まれ育った気質だけで決まるのではなく、子どもの行動に周りの人がどう関わっていくかにもよります。
家庭環境によるもの
子どもの遺伝から受け継いだものは変えられないものですが、家庭で学び、その場にふさわしい行動を身につけさせることはできます。子どもが環境からどう学ぶかを知ると問題の扱いも上手にできるでしょう。
伝わった情報に反応して起こる行動
人の行動は生まれつき備わったものもありますが、そのほとんどは外からインプットされた情報に応じて起こります。
それはいろいろなパターンがありますが、ここではそれが問題行動につながる可能性のある場合についてお伝えします。
①学習しての行動・・・人の行動を真似る
インプットされた情報が行動につながるシンプルな形の1つです。
子どもの周りで家族が問題行動となる行動をしていれば、子どもはそれを真似して学んでしまいます。
小さい子どもは、基本的にどうやってふるまえばいいのか分からない状態にあるので、周りの人のすることを懸命に観察します。そして、人が何かやっているのを観察したなら、そうふるまえばいいのだろう、そうふるまうものだと思うのです。
このように人のしていることを見て学んでいくということは、社会学習理論と呼ばれ、何も分からない子どもは、周りを「見てマネる」を繰り返しながら成長していくと言えるでしょう。
イラストは寝転がってスマホを見る大人と子どもの姿です。
子どもが寝転がってテレビを見たりしていると「目が悪くなるからちゃんと座って見なさい。」と声おをかけることがあると思います。
でも、普段大人が寝転がってテレビを見たりスマホを触っていると、子どもは同じようにしてもいいんだと思ってマネします。
大人はいつも子どもが見ていることを意識していないといけないことになりますが、そうすることが子どもにしてほしい行動を身につけさせる一番の早道になるでしょう。
まとめ
親が実行していないことを子どもに実行しろと言っても、子どもに効き目はないでしょう。
これは、筆者の勤める園で実際によくあることですが、登園時に「ちゃんと挨拶しなさい。」と子どもに挨拶を促す親がいます。でも、親である自分は挨拶をしないというお父さんやお母さんがいます。これでは、子どもは言われたらするけれども、自分から必要に応じて挨拶をするということは、なかなか身につかないでしょう。
子どもの行動を好ましいものにするためには、大人自身が少し頑張らなくてはならないかもしれないですね。
大人が少し頑張ることで、子どもにいちいち指示しなくても、親が正しいと思う好ましい行動が自然と実行されるようになるでしょう。
子どものしていることが、実は自分のしていることではないか・・と振り返ってみることで、親子一緒にステキな行動ができるようになりたいですね。