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『子どもの発熱時の対応』

「風邪をひいたわけではないのに、熱が出て・・熱だけなんですけどね。」と
おっしゃるお母さんがいいらっしゃいます。

「熱だけ・・?」と不思議なことを言うなぁと感じることもあります。

けれども、子どもの発熱について、わかりにくいこともあるのだろうと

そんなふうにも感じます。

子どもはいろいろな時に熱を出しますよね。

風邪をひいたとき、感染症にかかったとき、夏は熱中症になったときも発熱してしまいます。

「えっ?熱?どうしよう・・」と慌てなくてすむように、『発熱時の子どもの様子』『発熱時の対応』『発熱後の対応』についてお伝えしたいと思います。

『発熱する時の子どもの様子』

子どもは発熱前に見せるいくつかの様子があります。

今、元気に遊んでいたかと思うと急におとなしくなるときがあります。

はしゃぎすぎて疲れたのかな・・と感じるときは、発熱する可能性があります。

いつもはこんなことで泣いたりしないのに、今日はどうしたのかしら・・と

普段は泣いたり怒ったりせずにできていることが、グズッてできない時は

目に見えない体調の悪さを表していると考えられます。

また子どものために楽しいお出かけをして目いっぱい遊んだ翌日

いつもより元気がない・・これも疲れが発熱という形であらわれる

まだ体力のない子どものSOSなのかも知れません。

こんなふうに、元気な子どもがいつもとちがう姿を見せているときは

熱がある?

熱が出る?

そう考えて対応するのがいいでしょう。

もし、それが発熱につながらなくても

子どもにとっては、カラダに優しい対応となりますからね。

『発熱時の対応』

子どもがどんな状態になったときに発熱しやすいかについては

子どもの様子を見ていつもと違っていたら、要注意ということが

お分かりいただけたでしょうか。

それでは、次に発熱時の対応についてお伝えしますね。

子どもは発熱によって、ぐったりする場合もあれば
逆に元気になる場合もあります。

これも、普段の様子と比較したらわかるものですが
いつも元気な子どもはおとなしくなり
いつもおとなしい子どもはハイテンションになる
そんなパターンが結構あります。

元気だからいいというわけではないのですよね。

いつもと違うと感じたら、熱があるかどうか確かめましょう。

おでこや首の後ろに手を当てて確かめる方法もあるでしょう。
けれども、正確に検温するには、やはり体温計で検温しましょう。
今は耳で検温するものもありますが、電子体温計は比較的早めに計測するので
脇の下の汗などを拭きとってから、体温計の先(検温する部分)を
脇の下の真ん中になるように挟むといいですね。

出来れば、ここで、体温計の数字の上がり方を見ておくといいでしょう。

急激に数字が上がっていく場合は高熱となることが多いですから
高熱だった時の大人の動きについて、頭の中でイメージすることができるというわけです。

体温計の数字の上がり方を見ながら、どこの病院を受診しようか、その場合どうやって病院まで行こうか
また上の子や下の子がいる場合は、その子を一緒に連れていくのか誰かに預けるのか・・・
そんなことを考えながら検温するということですね。

そうすることによって、発熱した子どもをできるだけ早くラクな状態にしてあげることが出来ます。

高熱(38.5℃以上)ならできるだけ受診したほうがいいでしょう。

思いがけない病気の初期症状だったりすることもあるわけですから
様子を見ておこうとそのままゆっくりさせているということも多いようですが
受診して熱の原因を知ってから安静にさせてあげましょう。

高熱ではない時も、まずは安静にさせてあげましょう。

服をたくさん着せたり厚めの布団をかけてしまうと
熱がこもって余計に熱が上がるということもあります。

ただし、子どもがガタガタと震えるほど寒がっている時は暖かくしてあげましょう。
震えるほどというのは高熱の場合がほとんどなので、受診してから安静にさせてあげましょう。

安静に寝かせてあげていると、汗をかくので、汗でぬれたパジャマなどの衣類は
こまめに取り換えてあげられるといいですね。

本当にしんどい時は子どももたっぷり寝ます。

熱が高すぎて眠れない時は、おでこを冷やしたり、脇や足の付け根のあたりを
ハンカチなどでくるんだ小さな保冷剤を入れてあげると、寝やすくなります。

保冷剤をそのまま入れてしまうと、直接皮膚にあたり冷たすぎて嫌がるので
冷やすときは直接皮膚に当たらないように工夫してあげてくださいね。

また、必ず水分をしっかりと取らせてあげて、脱水症状になるのを防ぎましょう

眠くないようであれば、静かにできるような過ごし方をさせてあげましょう。

例えば絵本の読み聞かせや、動画を見るなど、動きのない過ごし方で
安静にさせてあげることが大切です。

この場合も水分補給はお忘れなく

『発熱後の対応』

それでは、発熱後の対応についてです。

高熱が出た翌日の朝、検温してみたら37℃以下になり、
もう下がったから大丈夫と思われることが多いようですが
ちょっと待ってください

本当に下がったといえるのでしょうか。

人間の体温は朝よりも午後のほうが高くなります。

ですから、朝の検温で37℃以下になっても、だんだんと熱は上がり
15時を過ぎると再び高熱になるということが多くあります。

子どもは発熱によりかなり体力を消耗してしまいます。

朝の体温が昨日より低くなったとしても、体力はまだ戻っていないことが多いです。
それなのに、すぐに激しい遊びをさせたり、幼稚園や保育所に・・というのは
避けたほうがいいということです。

なぜなら、体力が回復していないのに、無理してカラダを動かして活動することで
どんどん体力がなくなってしまい、抵抗力が落ちていることから、
再び発熱したり、感染症などにもかかりやすくなってしまい、

結果、安静にしていなければならない時間が長く続き
そばにいる大人も疲れてしまうことになるからです。

高熱が出た後は、夜まで平熱で普段と変わらない一日を過ごすことができてから
幼稚園や保育所に行ったり、活動的な遊びを楽しむようにしましょう。

そのためにも、「平熱」を知っておくことが大切です。

毎日同じ時間に検温して、子どもの「平熱」を知っておきましょう。

これで『発熱時の対応』についてお伝えしましたが
子どもによって、発熱時の様子が異なりますので、
普段の子どもの様子をていねいに観察し、正確に把握しておくことが必要であるということですね。

そして、その変化を敏感にキャッチして、早めの対応で
二次的に耳の病気や内臓の病気にまで病気を広げてしまわないようにしましょう。

大切な子どものカラダ、早めの対応で、子どももラクに
大人もできるだけラクにしましょう。