感染性胃腸炎 症状 原因 対応

嘔吐

感染性胃腸炎の症状

・嘔気・嘔吐

・下痢

・腹痛

・発熱     など

こうした症状があらわれた場合には感染性胃腸炎が疑われます。

下痢

感染性胃腸炎の原因 ~ウイルス性・細菌性 それぞれ治るまでの期間は~

感染性胃腸炎は、ウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎に大別されます。

腸内ウィルス

ウイルス性胃腸炎

感染性胃腸炎の大部分は、ウイルス性胃腸炎です。

ウイルス性胃腸炎の病原体としては主にノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスの3つが多いとされていますが、その他にもアストロウイルス、コロナウイルス、コクサッキーウイルスなどの胃腸炎も少数ながらあります。

ノロウイルス

特  徴・・発症時の嘔吐・下痢症状は比較的強いですが、2~3日で比較的元気になることが多い

潜伏期間・・1~2日で、感染力が強いため、秋~冬場に爆発的に流行する傾向がある

症  状・・初期に強い症状がみられるため、発症すると大人でもかなり辛い(症状がみられるのは始めの2日程度)

流行時期・・ノロウイルスは秋~冬にかけて感染するケースが多い

ロタウイルス

特  徴・・他のウイルス性胃腸炎に比べると、病初期に39度台の高い発熱を伴うことが多い

症  状・・嘔吐は他の胃腸炎と同様1~3日程度で治まるが、その後もひどい下痢だけが1週間ほど長引くことが多い

      便の色が薄くなり、レモン色になることがある(胆汁の分泌が悪くなるため)、重症の場合は白っぽくなる

流行時期・・2~5月ごろの春先で暖かくなってきた時期にも多く

受診のタイミング→脱水症状が深刻になる前(嘔吐が治っても下痢症状が続いていれば脱水症状が心配される)

アデノウイルス

特  徴・・発熱や嘔吐はあまり目立たず、下痢や腹痛が目立ち下痢が長引く(腸重積症でもアデノウイルスが検出される)

症  状・・長引く下痢(1週間程度)、腹痛

流行時期・・季節を問わず

※腸重積症…回腸(小腸の終わり部分)が大腸に入り込むことで、腸管にある細い血管が破れ血便が生じ、時間が経過すると嘔気、腸管の閉塞症状があらわれ、さらには腸管組織の壊死が引き起こされる疾患

その他のウイルス

アストロウイルス、コロナウイルス、コクサッキーウイルスなどのウイルスが胃腸炎の原因になることもあります。

細菌性胃腸炎

感染性胃腸炎の原因の多くはウイルス性ですが、なかには細菌への感染が原因となって発症する場合があります。

細菌性胃腸炎の病原体は、病原性大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、エルシニアなどで、小児でもしばしば発症がみられます。

細菌性胃腸炎は、嘔吐を伴うことはありますが、症状の中心は腹痛、下痢、血便などの下腹部症状です。

 

感染性胃腸炎の感染経路は?

ウイルス性胃腸炎の主な経路は「接触感染」

主な感染経路は病原体が付着したものや人に接触したことで感染する接触感染です。

直接接触感染

感染源から直接、伝染する感染経路です。

(例)感染性胃腸炎を発症したお子さんと保護者の方が遊んだりして触れ合っているうちに伝染してしまうケースなど

間接接触感染

病原体が媒介物を介して伝染する感染経路です。

(例)ウイルス性胃腸炎を発症した人が使ったタオルやコップ、触ったドアノブなどに触り、その手で口の付近や食べ物に触 れることで伝染してしまうケース

 

ノロウイルスや細菌による胃腸炎は「経口感染」で発症することも

ノロウイルスの場合には、生牡蠣や貝類を十分に加熱しないで摂取した場合や、ノロウイルスに感染した人が調理をすることで汚染した食品を食べた場合のような経口感染など

また細菌性の胃腸炎の感染経路には、食事(肉類、鶏卵)水(井戸水)など

主な病原菌

考えられる感染経路の代表例

病原性大腸菌

牛肉

サルモネラ菌

鶏肉・牛肉・卵、爬虫類・両生類(カメが有名)の飼育

カンピロバクター

鶏肉

エルシニア

調理不十分な豚肉、殺菌不十分なミルク、井戸水

こうしたものが細菌性胃腸炎の原因になることが多い

 

感染性胃腸炎の検査方法

下痢便

検査は必須ではない

ウイルス性胃腸炎である場合・・基本的な治療方針は一定なので、一般外来ではウイルスを特定する検査を行わないことが多い

検査には保健が適用・・ノロウイルスは、3歳未満・65歳以上の方などを対象に健康保険が適用されているため2)、保険適用の対象者以外の方では一般的に検査を行わない場合が多い

入院の場合は要検査・・感染力の強い感染性胃腸炎は、院内感染を起こさないように同じウイルスや細菌の胃腸炎の患者を同じ部屋割りにするため保険適用外でも検査を行う

検査をしない場合・・特徴による判断

■ノロウイルス…… 嘔吐症状がひどく、発症者は辛さを訴えるが、症状は2日程度で治まる

■ロタウイルス…… はじめに高熱が出て、嘔吐は1~3日程度だが下痢が長く続く

■アデノウイルス…… 高熱を出す患者さんは少なく、熱が出ても38度程度。嘔吐も少なく下痢がメイン

 

ウイルス性胃腸炎の検査

ウイルス性胃腸炎の検査・・インフルエンザのように綿棒の検査キットを用いて便を調べる

結果は10~15分程度で判明

ロタウイルスとアデノウイルスの検査は保険適用されていることもあり、一度で両方を調べることができる検査キットが登場しており、検査の際にはこのキットが使用されることが多い

細菌性胃腸炎の検査

細菌性腸炎の検査・・便培養検査

多くの病原性菌、病原性のない腸内細菌は、染色して顕微鏡で覗くと赤色に染まった細長い菌(グラム陰性桿菌)として見えるカンピロバクターは螺旋状またはS字状の形をしているため、顕微鏡で調べることですぐ判断がつき、迅速で推定的な診断可能一方、その他の病原性菌は検査後2~3日の間、菌を培養してから判断をするため結果がでるまでに時間がかかる

 

感染性胃腸炎の治療 ―水分補給の重要性や食事の注意点

おかゆ

ウイルス性胃腸炎の治療

ウイルス性であるため、抗菌薬は無効であり、いわゆる特効薬はありません。

治療の主体は、嘔吐・下痢がひどく脱水が強い場合は点滴、発熱・腹痛がある場合は解熱鎮痛剤といったように症状を緩和する治療を行いながら、自然に回復するのを待ちましょう。

ウイルス性胃腸炎で嘔吐・下痢をしているときに無理に食事をしても体は受け付けてくれません。まずは電解質や糖がバランスよく配合された経口補水液を口から補給する方法(経口補水療法)を行って、脱水や低血糖を防ぐことが必要です。

経口補水液

 

薬品メーカーから各種経口補水液が販売されていますが、水1000mlに砂糖40g、塩3gを混ぜると簡単に自宅で経口補水液を作ることができます。体重(kg)と同じ量(ml)を5分おき、または倍の量を10分おきに少しずつ飲ませると、1時間輸液をするよりも多い量の水分をとることができます。

細菌性胃腸炎の治療

細菌性胃腸炎の場合、感染した細菌の種類に応じて抗菌薬を使用します。しかし便培養検査で原因菌が同定された頃には症状が軽快しているケースもしばしば認めます。症状が軽快している場合には抗菌薬治療は不要になることもあります。

 

感染力が強い感染性胃腸炎の予防方法とは?

手洗い

手洗いや消毒を励行する

ウイルス性にしても、細菌性にしても、最も重要なのは手洗いや消毒の励行です。

拭きとりや浸け置き消毒する場合・・塩素系漂白剤(キッチンハイター)を250倍に希釈して(500mlペットボトルに、ペットボトルのキャップ1/2杯分の塩素系漂白剤)使用

※作成した消毒液は、間違えて飲んでしまう可能性がありますので、作成したそのときに使い切りましょう。

ウイルス性胃腸炎の原因となるウイルスはアルコールに耐性であるため、

流水でしっかりと洗わないと感染予防が万全ではありません。

ぜひ水で流して手洗いをしましょう!

子どもの感染性胃腸炎では脱水症状に注意が必要

脱水予防

脱水症状が起こしやすい感染性胃腸炎

・嘔吐や下痢の症状がひどく脱水症状を起こしやすい

・体重が少ないため循環血漿量も少なく脱水に陥りやすい

・貯蔵糖が少ないため大人よりも低血糖になりやすい

・感染性胃腸炎の発症が疑われる際には、嘔吐だけではなく下痢症状にも注目

お子さんが深刻な脱水症状に陥らないよう、しっかりと注意して見守っていきましょう!!

出典 MedicalNote