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『アタマジラミ その治療と予防』
子どもたちが幼稚園や保育所で集団生活をしていると、
時々「アタマジラミが見つかった。」というお知らせを受けることがあります。
小さな子どもだけでなく、誰でも感染するシラミですが、
ここでは『アタマジラミについて』
『アタマジラミに感染した時の治療』と
そうならないためにできる『アタマジラミ感染予防』について
お伝えしたいと思います。
『アタマジラミについて』
人に寄生するシラミには、アタマジラミ・ケジラミ・コロモジラミの3種類があり、
皮膚から吸血してかゆみや湿疹を起こします。
シラミはオス・メス関係なくまた、幼虫から成虫まで一生を通して吸血します。
ヒトに寄生するシラミは他の動物には寄生せず、また他の動物に寄生するシラミは人には寄生しないので、ヒトから離れたシラミは吸血できないので2~3日で死んでしまいます。
アタマジラミは頭髪に寄生し、頭髪の接触によって感染します。
髪の毛に産み付けられた卵は7日~10日程で孵化します。
孵化した幼虫はさなぎにならず、3回ほど脱皮をして1~2週間で成虫になります。
成虫の生息期間はおよそ1カ月で1日におよそ3~4個1カ月で約100個も産卵します。
繁殖力が強く、爆発的に数が増えていくので、早期発見が重要です。
子どもたちの間で集団発生するアタマジラミはセメントのような硬い物質でしっかりと髪の毛に卵を固着させ、産み付けます。
卵は側頭部や後頭部、耳の後ろをよく観察すれば見つけられます。
灰白色の楕円形で髪の毛に付着しています。
フケやヘアーキャストと言った髪の毛につく汚れとよく似ていますが、、しっかりと髪に固着しているので指でつまんでもなかなか取れません。
『アタマジラミに感染した時の治療』
アタマジラミは頭をかゆがる子どもの様子から見つけられることが多いようです。
成虫を見つけるより卵を発見することで、アタマジラミに感染したと考えるケースが
ほとんどで、成虫を見つけたらすぐにその場でつぶすか、ビニール袋などに入れて別の場所にい移動しないようにしましょう。
感染してしまったら、シラミ駆除剤の「スミスリンLシャンプータイプ」や「スミスリンパウダー」を用法・用量通りに使用すれば駆除できるので、慌てず対応しましょう。
家族にも感染している可能性が高いので、よく調べて、感染していたら同時に駆除する必要があります。
『アタマジラミ感染予防』
アタマジラミは、季節に関係なく1年中発生がみられます。
毎日お風呂に入って髪を洗っていてもアタマジラミに感染することがあります。
幼児や小学校低学年児童など、頭をくっつけて遊ぶことが多い年齢での感染率が高いので、
頭をくっつけることが避けられるといいのですが、なかなか難しいかも知れません。
また、プールやお風呂など、水中ではなく、脱衣かごやロッカー、タオルやクシなど、体に触れるものを他の人と使いまわしすることでうつる可能性があります。
アタマジラミがうつらないようにするには、
・頭の接触を減らすこと
・体に触れるものを共用しないこと(クシやブラシ、タオルや帽子など)
日ごろから子どもの頭をマメにチェックし、
シラミに感染していないか確認してあげることが大切です。
アタマジラミを早く発見して、早く対応することで感染拡大を防ぎましょう。
またアタマジラミに感染していることが分かったら、家族が感染しないようにしましょう。
子どもに添い寝したりするときも、シラミが飛び移ることが考えられるので
子どもが帽子をかぶるか、大人がシャワーキャップを着用するなど
子どもからアタマジラミが感染することのないように注意しましょう。
幼稚園保育所や学校を休む必要はありません。
子どもの状況を伝えて、帽子どうしの密着を避けるように配慮してもらったり
昼寝のときに頭をくっつけないように布団を敷いてもらうなどして
感染拡大を防いでもらいましょう。
また、帽子や布団のシーツは、毎日持ち帰り洗濯することがいいでしょう。
その場合、保育所幼稚園学校での感染確認もしてもらえるよう
声をかけるのもいいでしょう。
アタマジラミは不潔にしていたから起こるのではないので、
必要以上に神経質にならないようにしましょう。
また集団生活の場では
「不潔にしていたから、アタマジラミに感染したわけではない」ことを確認し合い、
いじめなどにつながらない配慮をしてもらいましょう。
感染したことをいろいろ考えても仕方ありません。
感染した時は早い対応で早くやっつけてしまいましょう!!
子どもも楽に、大人も楽に、すごせるといいですね!
参考:KINCHO 「誰にも聞けないシラミの話」