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ペアレントトレーニング7 子どもの問題行動③ その要因 少な過ぎる指示
子どもの問題行動は子どもの責任だと責めてしまいがちですが、本当にそうでしょうか。
子どもが問題行動を起こす原因が、子どもに適切な指示を与えていないということはないか、いま一度ふりかえってみてはどうでしょう。
子どもの問題行動③
前回は、子どもへの多過ぎる指示についてお伝えしました。
一度にあれもこれもと言われると、どれから先にしていいのか分からなかったり、はじめに聞いたことを忘れてしまったりと、注意されたり叱られることになってしまいます。
大人はいろいろなことを想像しながら指示を与えたり、用事をしながら指示を与える事が多いので、ついつい一度にあれもこれも指示しておこうという気持ちになってしまいますね。
大人と子どもでは、一度に聞いて記憶しておく量が異なります。
また考える力にも差があるので、同じ事を考えたり、同じ量の記憶をすることも、またその記憶時間を長く維持するのも難しいのです。
多すぎる指示は、子どもに失敗をさせてしまうことになるということですね。
少な過ぎる指示
では、指示を少なくすればいいのでしょうか。
少ない言葉で短い指示をするのは、子どもに適していて、きっといいはずです。
しかし、その指示が少なすぎるとどうなるのか、考えていきましょう。
例えば、台所で洗い物をしている時にタオルが一枚必要になったとしましょう。
大人の頭の中では、〈タオルを一枚必要なので、普通サイズのタオルを一枚持ってきてもらおう〉と考えています。
大人「タオルを持ってきてくれる?」
そう頼まれた子どもはどうするでしょう。
もちろん大人は適当なサイズのタオルを一枚持ってきてくれると期待していますよね。
頼まれた子どもはタオルを5枚も持ってきました。
これは大人が適切な指示を出さなかったことによる失敗になってしまいます。
大人は〈一枚持って来てくれるだろう。〉と勝手に思い込んでいるのです。
もしかしたら、大きなバスタオルを持ってくるかもしれませんよね。
「そんなにたくさんタオルは要らないでしょう?どうして分からないの?」
「ママが何をしてるか見たら、5枚も持ってくる必要が無いとわかるでしょう?」
「どうしてこんなことも分からないの?」
などと、叱ってしまいがちなのです。
でも、この失敗で子どもは叱られなくてはならないのでしょうか・・・。
大人は自分が想像しているように子どもも想像していると思い込んでいるところがあります。
けれども、子どもはそれまでの自分の経験を活かして、大人から出された指示を果たそうとする時に
経験の差による捉え方の違いが出てきます。
そうすることで、結果が大人の想像と違い、子どもは失敗経験を、そして大人はイライラ体験をすることにつながってしまいます。
指示は、多すぎても少なすぎてもよくないということが、ご理解いただけたでしょうか。
では、一体どういう指示の出し方をすればいいのか、一度考えてみることにしましょう。
子どもへの指示の出し方によって、子どもの行動も変化します。
子どもが失敗せず、大人も期待通りにお手伝いしてもらうには、ど指示が多すぎても少なすぎてもよく無いということですね。
まだまだ指示の出し方のモデルがあるので、次はまた違う指示の出しかたについて一緒に考えましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。