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ひとりひとりの理解が変える社会 LGBT 生きにくさ 私にできること
社会にはいろいろな人がいて、それぞれが幸せを求めて生きています。
そんな中、生きにくさを感じて生きている人がいることを考えてみたいと思います。
いろいろな人がいる社会
世の中には、いろいろな人がいます。
成人、子ども、老人、若者、背の高い人、低い人、毛深い人、色白な人、甘いものが好きな人、お酒が苦手な人、おしゃべりが好きな人、人と話すのが苦手な人・・・挙げ出すとキリがないくらいです。
いろいろっていうのも、どの分野での話なのかということで出てくるワードもいろいろですよね。
この中に出てきたワードの意味とか捉え方について考えてみたことって、あまりないと思います。だって生まれてから自分の周りで見聞きしてきたことから、自分なりの理解や意味づけをしてそこに価値観や概念が生まれてくるから。
そして自分が持っている価値観や概念はきっと周りの人も同じようなものだと思っているのではないでしょうか。
そしてそれが「ふつう」っていうふうに、「ひとまとめ」にしてみていることが多いのではないでしょうか。
でも、自分が思っている「ふつう」って、自分が決めたことで、実は他の人と違っているってことないですか?
ふつうってなに?
男の子は青、女の子はピンク。幼稚園のPTAの委員さんは卒園の記念品を準備するときに、「男女」に分けて準備することがあります。
男の子でもピンクが好きな子もいるし、女の子でも青が好きな子がいるので・・と園長が声をかけているのを聞いたこともあるけれど、多くの人は男女のイメージを作ってしまっていて、特に意識せずにそういう色分けなんかをしてしまいがちです。
「男の子は女の子を守らなきゃダメ」、「男の子同士はけんかしてもいいけど、女の子はたたいちゃダメ」とか、「女の子のくせに汚い言葉を使ってはいけません」とか「男の子は泣いちゃダメ」など、男の子女の子に対して、”こんな風にするのが当たり前””ふつうこんなふうにするでしょ”というようなことを、いつのころからか、「ふつう」「当たり前」のこととしてインプットされているのは、そういう情報が周りの大人や学校やテレビなどのメディアから入力されるからでしょうね。
そして「ふつう」「あたりまえ」から外れると、「ふつうじゃない」ということで、少数派にされてしまうことがいくつかあると思います。
性の多様性
「男の子」っていうイメージはどこからくるのでしょう。
「女の子」っていうイメージはどこでつくられるのでしょう?
「性別」と言うと「男」と「女」の分けられてしまいますよね。
でも、どうでしょう。
今はその二つだけに分けられないのではないでしょうか。
セクシュアリティ(性の在り方)は4つの要素からなっているということをご存知でしたか。
①生物学的性:Sex(セックス)
染色体、外性器・内性器の状態、ホルモンなどの要素によって決められる性。
②性自認:Gender Identity(ジェンダー・アイデンティティ)
自分自身の性をどうとらえているかということ。
③性表現:Gender Expression( ジェンダー・エクスプレッション)
性別役割(期待される役割 「男らしさ」「女らしさ」)
性別表現(服装・仕草・言葉遣い)
④性的指向:Sexual Orientation(セクシュアル・オリエンテーション)
恋愛や性愛の対象となる性別のこと。
同性 異性 同性・異性 いない
これは性の在り方の4つの要素です。
SOGIESC(ソジースク)
=sxual orientation and gender-identity and expression and sex characteristics
(性的指向、性自認、性表現、性的特徴の頭文字)
どんな性を好きになるか、どのような性を自認するか、どのような性表現をしているか、またどういった性的特徴を持っているかを表した言葉で、わたしたちひとりひとりはそれぞれにSOGIESCを表しながら生きているんですよね。
性の在りようは多様で、性自認・性的指向は、教育やしつけでは変わらないし、性別の認識がない人もいます。
こんな風に人それぞれの感じ方や認識を持っているのに、周りから「男の子」「女の子」と「ふつう」に縛られた捉え方で決めつけて見たり、「女なのに」「男なのに」と、行動まで2つの性しかないという判別の仕方で判断したりすることって、どうなんでしょう。
LGBTという言葉 多様なセクシュアリティ
「LGBT」は最近よく聞かれる言葉なので知っている人も多いと思います。
Lesbian レズビアン(女性同性愛者)
Gay ゲイ(男性同性愛者)
Bisexual バイセクシャル(両性愛者)
Transgender トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)
4つの頭文字をとって「LGBT」と呼ばれています。
この4つの中にはありませんが
Xgender エックスジェンダー(出生時に割り当てられた女性・男性の性別のどちらでもないという性別の立場をとる人) 細かく言うとこの中にも4つに分けられる
またLGBT以外にも、セクシュアリティが存在します。
アセクシュアル(他者に性的欲求を抱かない人)
アロマンティック(他者に恋愛感情を持たない人)
クエッショニング(自分のセクシュアリティに疑問を持ったり悩んだりしている人)
パンセクシュアル(全性愛者 性別に関係なく恋愛感情や性的欲求持つ人)
ここにあげたものの他にもたくさんのセクシュアリティが存在していて、他人に説明できないセクシュアリティを持つ人も存在しているのです。
このように性は多様です。
その多様な性を「男」「女」の2種類に分類してしまおうとすることが、無理があるというものです。
人それぞれの気持ち
昔からある二つの性別をすべての人に当てはめるということに無理があることが分かってきますよね。
人には外見で判断できないことがたくさんあります。
「誰が好き?」「彼女いるの?」「どうして結婚しないの?」「合コン行こう!」
こんな言葉にも、「ふつう」という枠から外れてしまうことを恐れて、本当の自分を偽らなけらばならない人がいます。
性の多様性についての理解があまり進んでいないから、自分をカミングアウトできない状況なのです。
みんなと違う、周りと違う、そう感じることがあるから、本当の自分に嘘をついて生きなければならないなんて、そんなつらいことありませんよね。
「ふつう」を「ふつう」と思わないクセをみんながつけていけばいいのでしょうか。
人それぞれに自分のことを決める権利があるし、セクシュアリティによって差別されたりしない、そんな社会をつくれたらいいですよね。
「気が付かなかった」「知らなかった」で済ましてしまうことは、出来るかもしれないけれど、それによって傷つく人がいることをもっと多くの人が知るべきだし、社会全体が変わるべきだと思いませんか。
誰もおかしくない
人はそれぞれの特徴をもって生きています。
いろいろな人がいて、社会が構成されていることから考えると、その誰もがおかしくなんてないのです。
性自認、性的指向は教育やしつけでは変わらないのです。
性別の認識がない人もいるし、人を好きになるという感情を持たない人もいます。
自分と違うことに対して否定しないことが大切だと思います。
どんな性もその人のものだから、いいじゃないですか。
見た目で勝手に決めたり、勝手にイメージしてしまわないようにしたいですね。
自分らしく生きていこう
世の中には、いろいろな人がいます。
あなたのセクシュアリティはどうでしょう。
SOGIESC(ソジースク)
=sxual orientation and gender-identity and expression and sex characteristics
(性的指向、性自認、性表現、性的特徴の頭文字)
4つの要素でみると、自分が見えてきますね。
『自分っていったい何なのか?』
そんな哲学的思考で『自分』を見つめてみることも、人を見る視点が広がっていくかもしれません。
気づかないうちに何気ない性的な差別や排除で、誰もがつらい思いや傷つくことなく、ひとりひとりが同じように幸せになりたいと思って生きていけるようにしたいですね。
誰もが自分らしく生きていける社会に、互いに尊重し合える世の中にしていきたいものです。
まだまだ知らないことがたくさんあるので、これからも視野を広げていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!