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『風しんの対応と予防』
今、風しんが大流行しています。
風しんは毎年流行するもので、子どものころに済ましていることが多いものです。
風しんとはどんなものか、風しんにかかってしまったらどうしたらいいか
また感染を予防するにはどうすればいいか。
そのことについて、お伝えしていきますね。
『風しんとは』
風しんは、予防接種を受けたかどうかわからない人
風しんにかかったかどうかわからない年代の人に急激に広がることがあります。
海外で風しんに感染してきてしまった人からの拡大によると言われることもありますが
それは、どんなルートでも広がってしまうので、
その感染源を特定しても仕方がないというものですよね。
風しんは、風しんウィルスによって引き起こされる、急性の発疹性感染症です。
風しんへの免疫がない集団において
1人の風しん患者から5~7人に映す強い感染力があると言われています。
風しんウィルスの感染経路は、飛沫感染で、ヒトからヒトへ感染が広がります。
症状は、発熱、発疹、リンパ節腫脹など、
風邪かなと思うような不顕性感染(感染症状を示さない)軽いものから
合併症を併発するような重篤なものまで幅広く、
特に成人で発症した場合、高熱や発疹が長く続いたり、関節の痛みを感じるなど
子どもの症状よりも重症化することが多くあります。
また、脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど
入院が必要になることもあり、軽視することができない病気です。
風しんはかかってしまえば、免疫がついて、
それ以降に感染することはほとんどありません。
ごくまれに、2度3度と感染する人もいますが、
免疫がつきにくいタイプで非常にまれな例です。
風しんの免疫を持たない大人は、たくさんいることになるわけですが
その中でも、注意しなければならないのは、妊娠している場合です。
風しんに感受性のある妊娠20週頃までの妊婦が風しんウィルスに感染すると
生まれてくる子どもが先天性風しん症候群を発症する可能性があるということです。
妊娠を希望したり子どもを持とうと考える人は、
男女ともがワクチンを受けて、まず風しんの流行を抑制し、
女性は感染予防に必要な免疫を
妊娠前に獲得しておくことが重要です。
『風しんにかかってしまった時の対応』
感染すると約2~3週間後に発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。
風しんの症状は、子どもでは比較的軽いのですが、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの
合併症が、2,000人~5,000人に1人くらいの割合で発症することがあり、
大人がかかると子どもに比べて発熱や発疹の期間が長く、関節痛がひどくなることが多いと言われています。
また、発疹の出る前後1週間は、人に感染させる可能性が高く
知らないうちに感染源となってしまうことも当然あるということです。
風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの女性が風疹ウィルスに感染すると、
眼(白内障)や耳(難聴)、心臓などに障害を持つ(先天性風しん症候群)子どもが生まれることがあります。
妊娠1か月で50%以上、妊娠2か月で35%と言われています。
妊娠中は予防接種が受けられないので、特に風しんが流行している地域では、
可能な限り外出を控えたり、やむを得ずに外に出る場合は、出来るだけ人混みを避け
マスクをしたり、ていねいにうがいや手洗いをするなど、
風しんにかからないように注意したほうがいいということです。
また、妊婦の周りにいる人(妊婦の夫、子ども、その他の同居家族)も
風しんにかからないように外出時にはマスクをしたり、
外出から戻ったら、ていねいな手洗いうがいなどして気を付けてください。
また、家族が風疹にかかってしまった場合は、
部屋を分けて生活したり、室内でもマスクを着用し、
部屋の換気をにして飛沫感染を防ぎましょう。
『風しんの予防』
風しんの予防のためには、予防接種が最も有効な予防方法です。
予防接種法に基づく定期の予防接種は、
2回の接種を受けてもらえるようにと厚生労働省からはすすめられていますが
医療、教育関係者、や海外渡航を計画している大人も、
風しんにかかったことがあるか、予防接種を受けているかが、
はっきりとわからない場合は予防接種を検討したほうがいいでしょう。
風しんワクチンを接種することによって、95%以上の人が
風しんウィルスに対する免疫を獲得することができると言われています。
また2回の接種を受けることで、1回の接種では免疫がつかなかった人の
多くに免疫を付けることができるようです。
さらに、接種後年数の経過とともに、免疫が低下してきた人に対しては、
追加のワクチンを受けることで免疫を増強させることができるでしょう。
一回目のワクチン接種後の副反応として一週間前後に
最も多く見られるのは発熱です。
またまれに接種後一週間前後に発疹が出る人もいます。
また2回目の接種後に注射したところが少し腫れることもありますが
発熱、発疹はほとんどないでしょう。
卵アレルギーの場合、接種を迷うことがありますが
まったく卵成分を口にしたことがないという場合以外は
アナフィラキシー(全身性の強いアレルギー症状)を起こすことはないと考えられています。
それでもご心配になるのは当然ですから
接種時には医師に確認して接種しましょう。
風しんは、ほとんどの人が幼いうちに自然にかかっていれば
大人になってから心配したり重症化してつらい思いをすることがないわけです。
ですから、必要以上に感染を避けたりせず、
子どもの間に済ませておくことができればいいですね。
また、感染しても軽く済むように
勧められている予防接種は、忘れず受けておきましょう!
子どもも楽に、大人も楽に、すごせますように!!